ICL(眼内コンタクトレンズ)

ICLとは

ICL(Implantable Contact Lens)は、別名「眼内コンタクトレンズ」といわれています。その名の通り、目の中に小さなレンズを移植する視力矯正手術です。

ICLで視力矯正できる症例

  • 近視
  • 遠視
  • 乱視

視力矯正手術というと、白内障手術やレーシック手術を思い浮かべる方も多くいらっしゃるかもしれませんね。ICLは、それらの手術と比べて、矯正精度や見え方の質が非常に良いことから、現在世界的に注目されている手術なのです。

ICLの仕組み

ICLの仕組み

ICL手術は、眼球の前面にある虹彩(こうさい)という膜の後ろに小さなレンズを挿入することで、近視・乱視・遠視を矯正します。
白内障手術のように水晶体を摘出したり、レーシックのように角膜を削ったりすることはありません。

ICL3つのメリット

1.高質な安定視力

1.高質な安定視力

ICLは、近視の戻りが少なく、何年経過しても治療直後と同じような見え方が維持できると高評価を得ています。メガネやコンタクトレンズでは、矯正しきれないクリアで鮮やかな見え方が期待できます。

2.術後の合併症やリスクが少ない

3.将来的な目の治療に影響がでにくい

同じく視力矯正をするレーシック手術の場合、角膜を28mmも切開することから「近視戻り」「光のにじみ」「ドライアイ」のような合併症に悩まされることも多いといいます。 一方、ICL手術で切開する角膜は、わずか3mm。そのため、合併症や見えにくさも少ないとされているのです。

3.将来的な目の治療に影響がでにくい

ICLは、一度眼内にレンズを挿入すれば、安定した視力を維持できるとされています。またレンズを抜去して、術前と同じように裸眼にコンタクトレンズを装着して、もしくは眼鏡をかける生活に戻すこともできます。

例えば、将来的に白内障や緑内障といった目の病気になる可能性もあるでしょう。その際、一度角膜を削ると、削る前の状態に戻して治療することはできません。しかし角膜を削らないICLの場合、眼内レンズを取り出して、裸眼の状態に戻すことができます。そのため、治療の選択肢を狭めることもないのです。

ICLのデメリット

1.自由診療のため、費用が高額

ICLは自由診療のため、費用は全額自己負担となります。
さらに一人一人の目の状態に合わせて、完全オーダーメイドで作成するため、他の矯正手術と比べても費用はやや高額といえるでしょう。

ただし保険会社によっては、医療費控除を利用できる場合もあります。詳しくはご加入の保険会社までお問い合わせください。

2.手術までの時間がかかる場合もある

ICL手術は、患者様一人一人の目の状態に合わせて、完全オーダーメイド治療で行います。
そのため挿入するレンズの在庫状況によっては、1ヶ月~3か月の時間がかかることもあります。一方、国内にレンズの在庫があれば、早くて適応検査後3週間程度で手術することも可能です。

感染症リスク軽減のため、アフターケアが重要

ICLで挿入したレンズは、コンタクトレンズのようにお手入れは必要ありません。しかし、ICL挿入後、極々まれ(約1/6,000件)に感染症を起こすことがあります。そのため、術後の点眼や注意事項をしっかりと守っていただくことは大切です。
当クリニックでは、いずれのデメリットについても丁寧にご説明をいたしますので、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

ICLとコンタクトレンズの比較

  ICL コンタクトレンズ
特徴 ・眼内にコンタクトレンズを挿入
・術後半永久的に視力を矯正する
・目の外側からコンタクトレンズを装着
・装着時のみ、一時的に視力を矯正する
メリット ・取り外しの手間がない
・感染症や目を傷つけるリスクが少ない
・手頃価格で購入可能
・ファッション感覚でカラーコンタクトを楽しめる
デメリット ・外科手術を伴う
・一度にかかる費用が高額
・装着中、ずれてしまうことがある
・取り外し後のケアが必要(使い捨てタイプは除く)
・取り外しの際に、目を傷つける可能性がある
・定期的な購入費用がかかる
コスト 40万円~100万円
(度数や乱視の状態によって異なる)
約120万円/20年間(※)

※コンタクトレンズのコストは、次のような計算で算出しています。
・1DAYコンタクトレンズ/1カ月 5,000円(両目分)×12カ月=約6万円/年間×20年=120万円
・眼科受診料は除く

ICLは、「眼内コンタクトレンズ」とはいいますが、目の内側にレンズが入るため、コンタクトレンズのように日常生活の中で外れてしまうこともありません。裸眼と同じような快適さで、視力の矯正を実現することができます。

また費用の高さも一見するとデメリットのように感じますが、この先10年、20年と長い期間定期的にコンタクトレンズを購入し続けることを考えると、総合的にはICLの方がお得といえるでしょう。

治療の流れ

  • 1:[お電話・メール]にて適応検査のご予約

    1[お電話・メール]にて適応検査のご予約

  • 2:カウンセリング・眼科専門医による適応検査

    2カウンセリング・眼科専門医による適応検査

    【検査内容】

    • 他覚的屈折検査
    • 自覚的屈折検査
    • 角膜形状解析
    • 角膜内皮細胞検査
    • 眼圧検査
    • 前房(ぜんぼう)深度値/前眼部画像解析
    • 涙液(るいえき)検査
    • 眼底検査
    • 瞳孔径(どうこうけい)測定
    • 細隙(さいげきとう)灯顕微鏡
    • 精密眼底検査
    • 緑内障/白内障の有無を確認 など
  • 3:[お電話・メール]にて適応検査のご予約

    3眼科専門医による診断と治療計画のご提案

  • 4:手術前の準備

    4手術前の準備

    殺菌作用/術後感染症予防のため、手術3日前から一日4回点眼を行います。

  • 5手術当日

    手術前のチェックと前処置

    • 検温/血圧測定
    • 手術後の注意事項などの説明
    • 散瞳(さんどう)剤を何度か点眼
    • 点眼麻酔と目の消毒

    手術(約15分/両目)

    • 点眼麻酔を行うため、治療中や治療後の痛みは、ほとんどありません。
    • 力を抜いてぼんやり正面を見ていただくので、手術中も見えている状態です。

    手術直後の安静(30分)

    • 術後の経過が問題なければ即時帰宅可能です。

    ※術後は、人によって「まぶしさ」を感じることがあります。
    ご心配な方は、手術直後~翌朝までサングラスを装着されることをおすすめいたします。

  • 6:術後の検診

    6術後の検診

    • 手術翌日は、眼の状態を確認するため検診を行います。
    • その他、症状に応じて3日後、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後なども検診を実施。
    • 丁寧にアフターケアを行っていますので、ご安心ください。

注意事項

[検査前]コンタクトレンズ装用禁止

検査前は、医師の指定期間、コンタクトレンズの装用を中止していただきます。

  [検査前]
コンタクトレンズ中止期間の目安
ソフトコンタクトレンズ 3日前
[乱視用]ソフトコンタクトレンズ 1週間前
ハードコンタクトレンズ(※) 2週間前

※ハードコンタクトレンズを装用されている方は、医師と相談の上、検査の2週間前からソフトレンズに変更していたただき、3日前からソフトコンタクトレンズの装用を中止いただく形でも構いません。

[手術後]目を保護するメガネやサングラスの着用 ※眼帯は必要ありません。

手術後は角膜の抵抗力が弱くなる可能性が考えられるため、目の保護が必要です。
保護用メガネやサングラスを着用して、ほこりやゴミなどの外的刺激から、目を守ってください。

[手術後]日常生活の制限

手術後は、日常生活において、次のようなご注意が必要です。ただし、以下は平均的な目安期間ですので、詳しくは執刀医師にご確認ください。

  [手術後]日常制限 目安期間
控えるべき 要注意
入浴/洗顔/洗髪(※) 当日 1週間
アイメイク 1週間 1カ月
目元以外のメイク 翌日 1週間
デスクワーク
(パソコン・読書など)
当日 3日
自動車 運転 翌日 1週間
飲酒 当日 1週間

※首から下のシャワーは、手術翌日から可能です。

料金

自由診療になります。

QAよくある質問

Q ICL手術は痛みがありますか?
A
ICL手術では麻酔を使用するため、手術中、手術後の痛みはほとんどありません。
Q ICL手術後は、すぐに見えるようになりますか?
A
ICL手術は、ぼやけていますが手術中から見えている状態です。ただし、瞳孔がひろがったり、縮んだりと、普段の見え方とは異なるかもしれません。
また手術後30分は、手術室の隣にあるリカバリー室の個室で安静に休息していただきます。
なお、レーシック手術の場合、見えるようになるのは翌日ですが、ICLは手術当日から、視力矯正をご実感いただけることがほとんどです。
Q ICL手術時間はどのくらいですか?
A
ICL手術は、約15分と比較的短い時間で行います。
ただし、手術前の検査や前処理、術後の安静時間なども伴いますので、手術当日はお時間に余裕を持っていただくことをおすすめいたします。
Q ICL手術を受けられない人はいますか?
A

ICL手術は、次のようなケースに当てはまる方は、適応範囲外となる可能性もあります。

  • 妊娠中または授乳中
  • 目の病気を患っている(白内障・緑内障など)
  • 進行性円錐角膜(軽度の円錐角膜は応相談)
  • 重篤な全身疾患がある(重度の糖尿病・膠原病など)
  • その他、医師が目の状態や全体症状を確認した上で、不適当と判断した場合

ご自身のケースについて、気になる点がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

Q 検査当日は車で行っても大丈夫ですか?
A
車の運転はお控えくださいますようお願いいたします。

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